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千秋楽はアドリブの応酬!(帝国軍篇) [貴水博之]

さて、それでは引き続き先週末に無事終了した『舞台版・銀英説』の最新作・
『第三章・内乱』千秋楽の模様についてお届けしてみようかと思います。

前回は同盟軍側のアドリブ・シーンでしたが、本日は帝国軍側にも織り込ま
れたアドリブ場面について、まずはちょっとだけ語らせて下さい。

本来であれば、帝国側のストーリーは自由過ぎる(笑)同盟側と違って余り
観客を笑わせるような演出は不要だった筈でした。

ところが先日のアフタートークショーで、座長ことヤン提督がアドリブ挿入の
意向を示した経緯や、それをあろう事か原作者の田中芳樹氏にトークショー
内で直談判して無理矢理了解を得た事が功を奏したのか、何と帝国側にも
様々なアドリブ・シーンが千秋楽にて加えられる結果となったのでした。

ひょっとしたらこれは、終始重苦しいストーリーが展開する帝国側にも千秋楽
くらいは息抜き要素が必要だと判断したヤン提督の意向が尊重され、それを
演出家さんや脚本家さんが了解したのかも知れませんが、その真相は私達
一般ファンにとって最早知る術はありません。

何はともあれ、現時点で私が覚えている限りのアドリブ場面を振り返ってみる
事にしましょう。



◆帝国軍篇◆

(1)ミッターマイヤー+ロイエンタール+オフレッサー関連

賊軍(門閥貴族)側の強敵・オフレッサーを「生かしたまま捕らえよ。」と参謀
閣下からの指示により、ミッターマイヤー&ロイエンタールの双璧コンビが白兵
戦で壮絶なバトルを繰り広げ、最終的には極秘に仕掛けた罠へとオフレッサー
を誘い込む事に成功した訳ですが、オフレッサーが唖然としながら「落とし穴
か~!?」と絶叫する中で、双璧コンビは仲良く口を揃えてこう言いました。

ミッター&ロイ「生け捕り~♪」

千秋楽以外の公演では同じシーンで「(落とし穴)だよ!」等とニッコリおどけて
見せたりもしていましたが・・・正直なところ、こんな場面で双璧コンビの仲良し
振りを表現するのはどうかと思いましたね。(-_-;)

そんな演出はジャニーズ系メインのTV番組で幾らでも出来るんですから、今回
の正統派舞台作品にジャニーズのお家芸を採り入れられても困りますわよ!!

ミッターマイヤーとロイエンタールの信頼関係を表現出来る場面は、原作を読み
込んでいれば結構見つかる筈です。
それが一切出て来なかったと言う事は、役者側も制作側も、原作本を軽視して
いた結果なのだと、自ずと判りますわよね・・・?

まあそれはともかく(苦笑)、そんな双璧コンビのお茶目振りが披露された後で
落とし穴に収監されたオフレッサーは何処から仕入れたのか、よく工事現場で
作業員が使うヘルメットとスコップ系を持ち込み穴を掘り返して脱出を図るような
素振りを見せていましたが、それに気付いたミッターマイヤーにすかさず「道具
を用意するな!!」等と一喝されてましたわね~。(笑)

(2)メルカッツ+シュナイダー関連

第二幕の終盤にて、門閥貴族軍がラインハルト軍によって決定的な敗北を喫し、
指揮を取っていたメルカッツ提督が責任を取ろうとブラスター銃で自決をしよう
とする場面。

直属の部下・シュナイダーとのやり取りで、遂に恐れていた事が起こります!

上司の自決を必死に止めようとするシュナイダーは、咄嗟の判断で「ブラスター
のエネルギー・カプセルを事前に抜いておいた。」等と嘘を付くのですが、その
アイテムが何と何とエネルギー・カプセル→タウリン1,000mgにすり替わって
いたのです!!(苦笑)

それからの2人のやり取りはと言うと、ざっとこんな感じでございました。

メルカッツ「これは気が付かなかった・・・一体いつの間に抜き取ったんだ?」
シュナイダー「ハイ・・・昨夜、提督の金庫からこっそりと。(苦笑)」
メルカッツ「見事に(タウリンが)温まっている!・・・しかし効き目は変わらん。」

そしてシュナイダーが同盟軍への亡命をメルカッツ提督に勧める際も、いわゆる
“タウリン系ネタ(笑)”は続いていきます。

メルカッツ「私は40年もの間、コイツ(タウリン1,000mg)の世話になって来たが、
そんな私を同盟軍は受け入れてくれるのだろうか?」
シュナイダー「(同盟軍に受け入れ拒否されたら)その時は私もスーパー(マー
ケット?)までお供致します!」

このやり取りの瞬間、メルカッツとシュナイダーというキャラが急に所帯染みた
ごく普通のキャラクターに見えてしまいましたわね~。(^_^;)

ただひたすら自分に仕えようとするシュナイダーを、ラインハルト様の元に投降
させようとするメルカッツでしたが、決意の固いシュナイダーが放った次の台詞
が上司の心の迷いを吹っ切ったのです!

シュナイダー「ラインハルト様は悪い御方ではありませんが、私の上司は鷲の
マークと決めております!」
メルカッツ「・・・鷲のマークの大将(=メーカー名とWミーニングで!)か。」

唯一、この台詞の部分だけは思わず「上手いっ!」と思いましたわね~♪

そもそも帝国軍を象徴するエンブレムが双頭の鷲でしたし、某・栄養ドリンクの
メーカーも会社のマークに鷲をデザインしていますから、派閥は違えど同じ帝国
軍に所属していたからこそ可能だったアドリブ台詞は、それなりにニクイ演出で
ございました。

とは言え、この場面は元々メルカッツ提督の生死に関わる重要なシーンです。

メルカッツの苦渋の選択が細やかに描かれている筈が、ヤン提督の鶴の一声
によって、従来とは一転した爆笑コント・シーンみたいにすり替わってしまった
のは個人的に少々残念に思いました。

この場面での極め付けは、メルカッツ提督とシュナイダーが共に某・栄養ドリンク
を片手に「ファイト!」「メルカッツ!」とやや苦笑いしながら決め台詞を言い放った
瞬間なのでした。(^_^;)

(3)オーベル様+ラインハルト様関連

千秋楽(※夜公演)に於ける“アドリブの嵐”は、とうとう彼ら2人にも押し寄せて
来てしまいました!

先程(1)にて御紹介した、オフレッサー捕獲作戦終了直後のシーンにて。

本来であればせっかく捕獲したオフレッサーをオーベル様の策略に従い無傷で
門閥貴族側に強制送還する・・・という件が展開する筈でしたが、ミッター&ロイ
の双璧コンビとオフレッサーが無駄に長い茶番劇を繰り広げていた光景を暫く
頭上から冷ややかに見下ろしていたオーベル様が、何と意外な一言を告げた
のでございます!

オーベル様「(冷酷な眼差しを湛えつつ)・・・無傷で還すの、止めようか?」

・・・ちょっと~、ダーリン!?
まさか貴方まで、こんなくだらない茶番劇に加担しようと仰るのっ!?(^_^;)

直後にミッターマイヤーがオーベル様の言葉に同意する台詞があるんですけど、
はっきり申し上げてあんな無能なジャニーズの大根役者にわざわざリアクション
して貰う必要など全くございません事よっ!(プチ激怒!)

そんなミッターマイヤーのリアクションをややスルーしながら、オーベル様は再び
翻意して「やはり、無傷で(還す)。」と一言告げて静かにステージを後にしました。

そしてオーベル様の後を追うかの如く、ラインハルト様もステージ上手へ捌けて
行くのですが、去り際にオフレッサーに向かってこんな捨て台詞を残したのです!

ラインハルト様「・・・おのれ下衆野郎、私のこの手で八つ裂きにしてくれるわ!」

凄く頼もしくて超格好良いラインハルト様の決め台詞でしたが・・・あのう、閣下?

いくら御自身の気持ちがオフレッサーを抹殺する気満々だったとしても、本来は
オーベル様の策略に同意しなくてはいけないんですのよ???(笑)

こんな感じで、千秋楽での帝国軍側ストーリーは数々のアドリブ演出により些か
崩壊してしまったと言わざるを得ませんでした。

ひょっとしたら千秋楽に観劇にいらしたお客様の中には、この日が最初で最後の
方々も少なからずいらっしゃったかも知れません。

この場を借りてしっかり訂正させて頂きますが、本来『舞台版・銀英伝』シリーズ
はこんなコメディータッチの作品ではなく(笑)、あくまでもシリアスで重厚な物語
の舞台なのでございます!

たまたま千秋楽日だけ、ちょっとした特別版になっていただけですので、どうぞ
くれぐれも誤解の無いよう宜しくお願い致します!(^_^;)

改めて今回の『第三章・内乱』を全体的に振り返ってみますと、同盟側の物語
はかなり上手く構成されていたと思いましたし、見応えもありました。

それに引き替え・・・帝国側はとにかくキルヒアイスとミッターマイヤーのキャラが
完全に崩壊状態でしたし、その上に『第一章・銀河帝国篇』の焼き直し+一部
軌道修正バージョンだった事もあり、帝国側に於けるストーリーが全然進展して
いないのが非常に気掛かりでした。

キルヒーについては最早論外ですけど(笑)、ミッターに関しても何故か直情的
な性格にキャラ改変されているのが何気におかしいと言う印象が残ってしまい
ました・・・。

特に第二幕・終盤にて参謀閣下に掴み掛かろうとする場面等、あれはミッター
ではなく寧ろ熱血漢タイプであるビッテンフェルトの方が適役なのではないか?
と、そんな風にも思ったりしました。

これらもひょっとしたら、ジャニーズ事務所側の圧力が掛かった結果なのか?
そう勘繰られても仕方ないようなキャラ改変に、不平不満を感じたのは私だけ
ではありませんわよね?

帝国側キャラの中で、特にウチのオーベル様やラインハルト元帥閣下が期待
以上に迫真の演技を見せてくれていただけに、キルヒー&ミッターには怒りを
通り越して寧ろ憎しみさえ覚えてしまいますわよっ!!!(-_-;)

今後も『舞台版・銀英伝』シリーズを続けていくならば、もう二度と素人レベル
以下の演技しか出来ないようなジャニーズ系アイドルは起用しないで欲しい!
観客側にしてみれば、全く迷惑以外の何物でもございません!

そんな愚かなキャスティングを続ければ、この良質な舞台作品が更に破綻
してしまう事は目に見えていますし、観客の足も一層遠退いてしまうでしょう。

そしてもういい加減、キルヒーの出番は思い切って無くすべきです!
そうでないと、帝国軍側のストーリーはいつまで経っても先に進んで行かない
状況が続いてしまいますよね?(^_^;)

私も実際のところ、『銀英伝』そのものの物語は随分昔に地上波系列でO.A.
されていたOVA版の第26話までくらいしか知らないので、願わくば『舞台版・
銀英伝』でそれ以降のストーリーを観てみたいと思います。

先日の千秋楽終演後、積み重なった怒りをアンケート用紙に綴って受付窓口
に叩き付けるように(笑)置いて行ったので、今頃はそれに目を通しつつ制作
スタッフ側も何かを感じ取ってくれていると良いのですがねえ~。(苦笑)

そうそう、今回の『第三章・内乱』では、要所要所でCGを使ったスクリーン上
での戦闘描写が凄く綺麗でしたわね~♪

これまでに観劇した『舞台版・銀英伝』シリーズでも、何箇所かスクリーンを
使った演出が見られましたけど、今作は過去作品とは比較にならないくらい
の完成度でしたし、まるで前述のOVA版・『銀英伝』シリーズのワンシーンを
観ているような錯覚に陥りそうになった程でしたものっ!

そう言えば、来月からCS放送・ファミリー劇場にてこのOVA版・『銀英伝』が
O.A.スタートすると言うではありませんか!!!

嗚呼・・・『第三章・内乱』が開幕する前のO.A.スケジュールだったら、少しは
舞台作品の事前宣伝効果もあったでしょうに、全くタイミングが悪い事!(^_^;)

とにかく、来月からの放送では『舞台版・銀英伝』シリーズを思い返しながら
毎週の録画予約を楽しみにしようと思っています♪

既に8月初旬の上演が決定している次回作・『初陣・もうひとつの敵』ですが、
どうやら今のところのキャスティングはマミーこと(苦笑)間宮君演ずるライン
ハルト様しか決まっていないみたいですわね・・・。

残念ながらウチの参謀閣下殿はその頃おそらく本業で多忙となる為(苦笑)、
元帥閣下のお傍にお仕えする事が出来ませんけど、どうか次回作こそはジャ
ニーズ系アイドル不在の健全なる舞台作品(笑)に仕上がるよう心からお祈り
申し上げたいと存じます!

ちなみに千秋楽のカーテンコールでは、そんなマミー(笑)が緊張の面持ちで
次回作への意気込みを熱く宣言したり、アンネローゼ様がオフレッサー絡み
の茶番劇に関する舞台裏を暴露したり、或いは例のジャニーズ大根役者の
連中がしゃしゃり出てきてかなりイラッとしたり(プチ激怒!)、いろいろ楽しめ
ましたけれど・・・最後は座長・ヤン提督に花を持たせつつも、例によってあの
ハイトーン・ボイスで『舞台版・銀英伝』シリーズを盛り上げようとする頼もしい
我が参謀閣下殿の絶叫で見事にまとめられておりましたわよ~♪

以上、帝国軍側のアドリブ・シーン及び今作の個人的総評を綴ってみました。
ここまで長々とお読み頂きまして、有難うございました。m(__)m

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